トイレの構造

2018年10月25日

クラシアン神戸支社の『エシディシ』です。
10月も終わりに近づき2018年もあと2ヶ月あまりとなりました。
気温の温暖差が激しく、寒い日やTシャツでも過ごせそうな暑い日があったりと、季節の変わり目で体調を崩さないように心掛けております。
今年は台風の影響もあり、関西ではとても多くの地域で停電が起こりました。
そこでよくお客様から尋ねられるのが、「停電してもトイレは使えるの?」というご質問です。
ご質問の答えとしては、『使えるものと、使えないもの』があります。

当ブログでも度々ご紹介させていただいているLIXIL製のアメージュZ

多くのお客様から評判を頂いているTOTO製のピュアレストQR

こちらのタイプは停電でも普段通りご使用いただけます。

普段通りにはお使い出来ないでタイプで、タンクレストイレがあります。

※応急的な方法として、バケツで水を流して使用すれば使う事が出来ます。
※タンクレストイレの中でもメーカーやシリーズによって乾電池を使用して数十回までは使用できるタイプもあります。

なにが違うのかというと水の流し方にあります。
停電時に使用できるタイプでは、タンクに水を溜めてレバー操作で一気に流しますが、タンクのないトイレ、例えばアラウーノでは、便器内に旋回しながら水を溜めていき、電気の力の排水路を開けたり閉めたりして溜まった水を一気に排水します。なのでアラウーノでも停電時に乾電池を使用できるシリーズ以外では普段通りの操作ができなくなります。
それぞれのメーカーの説明書には停電時の応急的な流し方が明記してありますので、ご使用の際はご確認下さい。

せっかくですので簡単にトイレタンク内の仕組みをご紹介いたします。
タンクの上蓋を外すとタンクの内部が確認できます。

断面図があれば分かりやすいのでイラストで説明いたします。
横から見るとこのような感じになっています。

ボールタップ、サイフォン管、フロートゴム、レバーと基本的にはこのような構造をしています。
年々節水になってきているので形や見た目が変わってきてはいるのですが、この構造を理解していると部品の形が変わっても同じ役割をしていることが分かります。

①レバーを回すとチェーンで繋がれたフロートゴムがパカっと開きます。

②溜まっていた水がタンク底の穴へ流れていきます。
この時にトイレの便器内に水が一気に流れる仕組みになっています。

③水が流れて水位が下降してくると水に浮いていたボールタップの浮き球も下降していきます。

④この浮き玉が下がるとボールタップの内部でテコの原理を利用して弁が開き給水が始まります。
その際、タンクに水を溜める管と、タンク上部の手洗管とで2経路に別れます。

⑤水位が下がり切り、フロートゴムが閉じると再び水が溜まっていきます。

⑦水位が上がりボールタップの浮き球も上がることで弁が閉じ給水が止まります。

この一連の流れが水を流してから給水が止まるまでの間に行われています。

水をタンクに溜める構造でよくあるトラブルがあります。
・水位が上がっているにもかかわらずボールタップからタンクへの給水が止まらない症状
・フロートゴムが溶けてしまい隙間が出来てしまうことで栓の役割が果たせない症状

タンクへの給水が止まらなくなってしまった時はサイフォン管の出番です。
サイフォン管はタンクへの給水が止まらなくなった時に、水がタンクから溢れてしまうのを防ぐ為に便器へ水を逃がすための管です。
「オーバーフロー管」ともいわれているのはそのような理由からです。
しかし、ボールタップからの水が止まらないという根本的な原因を解消するまでは、水はチョロチョロと便器内に流れ続けてしまいます。
フロートゴムの場合は単純に栓が不完全なので水が便器へ少しずつ流れて行き水位が下がります。水位が下がるとボールタップが動くので給水されます。
なので、この場合も便器内にチョロチョロと流れ続けます。別々の原因ですが、同じ不具合の症状が出ることがあるのです。
私たちスタッフはタンク内を見てどちらの症状かを判断し、修理または適合する部品に交換します。
便器内にチョロチョロと波紋が出てるようならおトイレからの注意信号が出ているので皆様もご自宅のトイレを一度ご確認下さい!

トイレの構造を知っていることで、緊急時にお役立ていただけることもあるかと思います。
もちろん修理だけではなく、トイレの交換も当社で行なっております。
トイレの修理、交換のご相談は是非クラシアンへお電話下さい。